ストレスに対する自律神経系の反応

自律神経というのは身体のいろんな機能を調整している神経です。例えば心臓をバクバクさせたり抑えたり、汗を出したり、血管を開いたり閉じたり、瞳孔を開いたり閉じたり、胃腸の動きを調整したりしている。自律神経の働きが乱れると、いろんな症状が出てくると考えられています。

このような自律神経の乱れからくる病態をよく「自律神経失調症」などといわれます。
しかし、この「自律神経失調症」というのはクセモノです。
一体全体自律神経がどう「失調」しているのか、おそらくはあまり誰も分かっていません。
また、ホントに自律神経が「失調」しているのかどうかすらわからないまま、この病名がつけられたりしています。

そんな中で、慢性的なストレスが関連した心身症の患者さんにおける、自律神経系のストレスに対する反応を、健康な人と比べて調べてみました。

すると、心身症の患者群の、自律神経系の知的作業ストレスに対する反応性が低下していることを示す結果がでてきました(「心身医学」45,685,2005⇒Publication)。

すなわち、心身症(この場合は慢性的なストレスを受けた人達と解釈してよい)患者では、自律神経の反応が鈍くなり、外的状況に適切に対応できなくなっているようなのです。
このことと、個々の心身症の症状がどう関係してくるのかはまだはっきりはわかっていませんが、一つの大きな要因となっていることは間違いなさそうです。

このあたりがもう少しはっきりしてくると、心身症の評価や治療へも応用できそうで、現在研究を進めているところです。

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このページは、renが2009年12月14日 15:37に書いたブログ記事です。

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