1.全か無か思考
ものごとを極端に、「全か無か」「白か黒か」に分けて考えようとする傾向のこと。
ちょっとしたことで「すべて台無し」とか「何もかもおしまい」という極端な判断を下す。ものごとは「絶対に○○」「全て○○」ということはなく、何割かそういう面もあるが残りの何割かはそうでない、というのが本当であるが、そのように見れない。このゆがみのもとには完全主義がある場合が多い。 |
2.一般化のしすぎ
一つか二つかの事実を見て、「全てこうだ」と思いこむ傾向。一度か二度起こったことが、この先も永遠に起こり続けるように思いこむ。
たとえば、ある人に嫌われたからといって世界中の人に嫌われたように思い、「自分はもう誰からも好かれない」と思ってしまう。 |
3.選択的抽出(心の色メガネ)
物事の悪い面ばかりが目につき、他のものは何も見えなくなってしまう。
悪い事もあれば良い事もあるのだが、うまくいったことは目に入らず、悪いことばかりが見えて(心の色メガネ)落ち込んでしまう。 |
4.マイナス思考
良いことが見えなくなり、何でもないことや、良いことまでも悪いように悪いように考えてしまう傾向。例えば、うまくいったことでも「たまたまうまくいっただけ」「誰でもできること」と正当に評価できず、ほめられても「お世辞を言われている」と悪いようにしか思えない。 |
5.レッテル貼り
「一般化のしすぎ」や「選択的抽出」がより極端になり、ちょっとした失敗体験などをもとにそれが自分の本質であるかのように自らにレッテルを貼ってしまう。
「自分は駄目な人間」というのが典型的なパターン。自らにそういうレッテルを貼ることでますますそのように思えてくるので、さらに落ち込み、悪循環に陥る。 |
6.独断的推論(心の読みすぎ)
わずかな相手の言動から、勝手に相手の心を読み過ぎて、事実とは違う結論を下してしまうこと。自分の側で誰かがひそひそ話をしているのを見ると「自分の陰口を言っているに違いない」と一方的に傷つき、落ち込んでしまう。「そうであるかもしれないがそうでないかもしれない。それだけでは判断できない。」という客観的な態度が取れなくなる。
この背景には「他人の評価が自分の価値の全てを決める」という歪んだ考えがあることが多い。「人からどう思われているか」を必要以上に気にして動揺することになる。 |
7.拡大解釈と過小評価
自分の持ついろんな資質の中で、悪いところや駄目なところをことさら大きく、重大なことのように思い(拡大解釈)、良いところは小さく見積もってしまう。(過小評価)「自分は悪いところだらけだ」と自己否定的になってしまう。 |
8.感情的決めつけ
「自分がこう感じているのだから、現実もそうであるに違いない」と思いこむこと。
絶望感にとりつかれていれば、客観的にみれば大したことではなくても「事態は絶望的だ、もう駄目だ」としか思えない。
また、問題をすぐに「取り返しのつかないこと」と考えてしまう。世の中のたいていのことは取り返しがつくものだが、すぐに「もう全て終わり」「絶体絶命」という気分になってしまう。 |
9.「すべき/せねばならない」思考
何をするにおいても「こうすべきだ」「こうあらねばならない」と厳しい基準を作り上げてしまう思考パターン。完全主義とも関連する。「常に明るく振る舞っていなければならない」など。厳しい基準を課すものだから何をやっても満足感は得られず、自己嫌悪に陥ってしまう。その連続に嫌気がさしてどんな努力も無駄に感じ、やる気を失ってしまったりする。 |
10.自己関連づけ
身の回りで起きる良くない出来事を何でも自分の責任だと思ってしまうこと。
子供の成績の悪い母親は「自分が駄目な母親だから」と全て自分の責任だと感じてしまう。必要以上に周囲の出来事を自分の責任にしてしまうことで重荷を背負い込んでしまう。 |