カナリヤ

唄を忘れた金糸雀(かなりや)は
後の山に棄てましよか
いえいえ それはなりませぬ

唄を忘れた金糸雀は
背戸の小藪に埋(い)けましょか
いえいえ それはなりませぬ

唄を忘れた金糸雀は
柳の鞭でぶちましよか
いえいえ それはかわいそう

唄を忘れた金糸雀は
象牙(ぞうげ)の船に 銀の櫂(かい)
月夜の海に浮べれば
忘れた唄をおもいだす

(西條八十(さいじょう やそ)「砂金」)

 

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